
あたし
「引き取れそうな大型犬はこのロットワイラーぐらいですね・・・何才ですか?」
ワンニャン飼育担当
「1才半です」
超大型犬達ははその種別に見せ物小屋から離れ奥まった場所にいた
勿論檻に入れられて・・・
檻というか柵で囲われているスペースというかわたしてきにすっごくちゃっちいもの
これは日中だけいるんでしょ?
まさかずっとここにいるわけじゃないよね?
・・・・絶句
ここ定位置でした
えええええっ!!


これオマケみたいな屋根はついてるけど風を避けるものすらないじゃん
横殴りの雨でも降ったらびしょ濡れじゃん
ええええええええっ!!
ウソだろー!!無体なー!!
鬼っ! 悪魔っ! 人非人(にんぴにん)!
こんなかんじ

ネットでググって画像借りました
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ねえねえ
世話してるワンニャン村のおにーちゃん、おねーちゃん
あんたら犬が好きで働いてんとちゃう?
これが当たり前かい?
おかしくないかい?
あんたらの常識どーなっちゃってんだい?
あ
「ちょっと出してみて下さい」
ぴょんぴょん跳び跳ねまくりの彼は出された瞬間わたしに飛びついてきた
胸に当てられた両前足をギュッと強く握り後ろ足を踏んで いけない と叱り振り払った
彼はそれからわたしにも他のだれにも飛びかかることがない
まっすぐ歩けない
上にぴょんぴょん跳ねることができてもまともにまっすぐ歩けない
あ
「散歩してたんですか?運動は?」
ワンニャン
「散歩なんて1度もしたことありません」
・・・・・・・・・・・・
って威張って言ってんじゃねえっ!!
こげな感じでリハビリすることになったわけだけど、その学習能力のすごさには驚くばかりだった
最初は本当に何もわかってなかった
が
先住犬をきちんと姉と敬い、姉のやることなすこと統べて学習
未だに姉の大嫌いだった人間を覚えている
すわれ
待て
よし
伏せ
つけ
あとへ
基本的なコマンドは本当に冗談抜き大袈裟じゃなく3日で完璧に覚えた
流石伊達に大きくないおはち 脳みそが一杯詰まってる
色んな事が覚えたくて覚えたくてしょうがなかったんだろう
そう考えるのが妥当だし至って自然である
頬をかすめる風に、降りそぼる雨にもきっと話しかけてたんだろう
たった
繁殖用の種雄だけに生きてきた彼はあの鉄格子の小屋、形だけ屋根がついた八角形の牢獄、上に跳ねることしかできなかった檻から出た瞬間、楽しい変化にあふれた家庭犬の道を歩み出したのである
ロット君という名前だった彼
40キロある彼をはじめ保護した犬たちを車に乗せていたとき
「宜しくお願いします 幸せにしてやって下さい」
ワンニャン村のおにーちゃんとおねーちゃんの数人は泣いていた


昨日の日記で さく を 柵 なのに 策 って間違いてました すまん




