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その③


質問状 ③
http://www.go.tvm.ne.jp/~koide/Hiroaki/remark/sotensya/Q-No3.pdf

回答 ③

「公開質問状Ⅲ」をいただきました。先週木曜日、金曜からの連休の前に頂きましたが、連休中は外出しておりました。すでに初めの私からの回答で書きましたように、私はいかなる議論でも歓迎しますので、ご質問があればお答えしたいと思います。ただ、議論が次々と拡散、拡大してきていますし、私とは無関係なことなども質問状の中にあり、石川さんがきちんとした議論を求めているのかどうか疑問を感じるようになりました。それでも、できるだけ議論を噛み合わせながら進めたいと思います。そのため、石川さんの質問状のある番号順に、ご質問の件を 1 つずつ取り上げてお答えしてみようと思います。「公開質問状Ⅲ」と照らし合わせながら、お読み下さい。

1.
①【ご質問】我が国の政策実行者はそのようにしなかったと言うのでしょうか?

 【回答】 そうです。国が誤った政策をとったことなど過去に幾つでも例があります。

②【ご質問】貴殿自身は、「日本が頼るべきエネルギー源は太陽エネルギーしかありません」との結論にいたるまでに、一体どれほどの課題を検討されたのでしょうか?

【回答】私は第 1 回目の回答で「基本的に日本が頼るべきエネルギー源は太陽エネルギーしかありません」と書きましたし、国の政策転換には長い時間がかかることも何度も書きました。石油にしても石炭にしてもウランにしても地球が長い歴史をかけて蓄え
てきた資源ですが、それらはいずれにしても使えば無くなってしまいます。そしてそれらに比べれば、太陽エネルギーは尽きることがありませんし、比較にならないほど厖大です。今回の石川さんの公開質問状の端緒となった9月 24 日の公開討論会でも示したデータを右に採録しておきます。長い時間を考えれば、「基本的」に人類は太陽エネルギーに依拠する以外ありませんし、政策転換には長い間がかかることを考えれば、少しでも早く太陽エネルギーの利用に向かうべきことは明らかです。そう思わないということであれば、むしろその根拠をお答え下さい。

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③ 具体的な政策転換には、すでに書きましたように厖大な課題があり、このような場所での議論にはふさわしくありません。石川さんは私の主張は「抽象的な論調では理解できるはずもありません」と今回の質問状に書かれていますが、私は前回も、日本における電力需給関係の具体的なデータを示しましたし、今回も上に示したように具体的なデータを示しながら議論をしています。具体的なデータを示さずに議論をしているのは石川さんの方です。また、私は第 1 回目の回答で具体的な政策立案作業に参加できるならすると意思表明もしています。そうせずに、一部の利害関係者のみで政策を作ってきたことが現在の政策の誤りを招いています。石川さんは省エネに勤めているとのことですが、もちろん私もそうです。ただし、日本の中で一番エネルギーを使っているのは産業分野ですし、次が運輸です。個人が家庭でどんなに頑張ったところで、省エネの効果はしれています。だからこそ、「社会のあり方、国土利用のあり方を変える必要があります」とすでに回答しました。なお、必要であれば木野茂編「環境と人間」(東京教学社)をお読み下さい。その中で私は「エネルギーと人間」という章を執筆して、日本国内での分野別エネルギー消費量の具体的データを示しながら議論しています。 

2.「私は、原発のみを安定電源と決めつけている訳ではありません」と認めていただき、大変結構です。ただし、石川さんが「たとえ、事故原発と同型式の原発をいっせいに停止する場合においても、使用予測電力量等を考慮し、計画的に停止するのであって、自然任せではないからです!」と書いているのは、事実に反しています。当然ご記憶だろうと思いますが、2002 年の東京電力による原発検査データのごまかし、ねつ造に端を発して東京電力のすべての原発がすべて一斉に停止を余儀なくされたことがあります。それは「自然任せ」ではありませんが、「計画的に停止」した訳でもありません。夏のピーク電力を前に電力供給に支障が出るとさんざん脅しをかけて再開しようとしましたが、それもできませんでした。もっともそれでも電力供給に支障が出なかったのは、すでに私が前回も示したように日本の発電設備には充分な余裕があり、原発を即時廃絶しても全く困らないからです。
また、石川さんが書いているとおり、「それぞれの発電方法が持つ不十分さを補えるように考慮し、安定的に電力を供給しているのです」とのことで、それも結構です。すでに私は第 2 回目の回答で「いかなる発電方法にも固有の問題があり、原発だけは安定電源だという認識には私は与しません。それぞれの発電方法が持つ不十分さを補えるようにすることこそ、安定的に電力を供給する道です」と書いています。ご不満でしょうか?

3.石川さんの今回の質問状には「言葉尻の問題ではない。・・・誤解の上での不毛な議論(推進派が貴殿同様の発言をすれば、鬼の首でも取ったかのように騒ぎ立てたはずです)・・・」 2とありますが、一体誰に対して書いているのですか? 私が「騒ぎ立てた」という動詞の主語になるのでしょうか? もしそうなら、そのようなことを私がしたという具体的な証拠を示してください。石川さんが私の発言の言葉尻を捉えて騒ぎ立ててきたため、私は当日の発言の元になった岐阜での集会の資料までお送りして不毛な議論を避けようとしてきました。その私に対して、根拠無い決めつけをするのは議論をするに当たっての基本的な態度を欠いています。石川さんがもし本当に意味のある論争を望んでいるのであれば、事実に基づいて議論を進めてください。
石川さんは私が示した「東京原発」での天満東京都知事の発言を「ドラマの奇麗事」とレッテルを貼って片付けていますが、そのような決めつけも議論には不適切です。「リスク」に「生命的リスク」もあれば、「財産的リスク」もあるでしょう。分類を細かくすれば山ほど分けて考えることもできます。ただ、この件では、すでに前回の回答書で私は書きました。「避難問題や補償問題はもちろんありますし、安全問題もあります。(中略)それらの情報をきちんと住民に知らせないまま、原子力に関しては国が『依らしむべし、知らしむべからず』の愚民政策を続けてきているのです。私はそのような国の原子力政策に反対しています」。「都会の人たちも原子力のリスクがどのようなものかきちんと考えるべきですし、当然国こそがそのリスクを明らかにすべきなのです。電力生産による利益を受けないままリスクだけを負わされ、本当に過疎地の人々が犠牲になるよりは、過疎地にリスクだけを押し付けて利益を得てきた都会の人たちが犠牲になる方がいいと私は心底思います。ただし、都会の人々にしても、原子力が抱えるリスクの情報をきちんと与えられるのであれば、原子力発電を受け入れないと私は思います」。これ以上、一体どう説明すれば、理解できるというのですか?
ベネフィットを得るためには、仮にとてつもないリスクであっても、きちんとそれを把 n握した上で受け入れるという選択はあり得ます。しかし、ベネフィットを受ける主体と、リスクを受ける主体とが分離されてしまっていることが問題なのです。核兵器による場合も原発事故による場合も被曝による被害は悲惨です。日本では 1999 年に茨城県東海村の核燃料加工工場で臨界事故が起き、2人の労働者が言葉には尽くせない悲惨な死を強いられました。そのことについてもすでに優れた記録が残っています。もし必要なら下記の本をお読み下さい。
NHK 取材班、「被曝治療83日間の記録」、岩波書店(この本は最近新潮社から「朽ちていった命」として文庫本にもなって出版されています。)
また、京都大学原子炉実験所が何のためにあるかとのご質問ですが、すでにお答えしたとおり原子力を推進するためではありません。大学に属する研究機関として基礎的で多様な学問研究に当たっています。必要であれば、原子炉実験所から多数の出版物や研究報告が出され ています ので、そ れをご参 照下さい 。簡単に でよけれ ば 、
「http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/」が原子炉実験所のホームページで、そこにも実験所の紹介があります。

また、私自身がどの様な研究に自分をかけるかは、私が判断すべきことで、石川さんから指図を受けることではありません。ましてや、私は石川さんに人生相談をしたりしているわけではありません。私はこれまでずっと原子力や放射能の研究の場にいましたので、その場での蓄積をいかして仕事を続けていこうと思います。すでに書きましたように、原子力が事実として動いている時に、その原子力が抱える巨大なリスクを明らかにすることも、原子力に携わる研究者の責任だと思います。今後もそうした仕事に従事し、きちんと人々に伝えていこうと思います。

4.「なぜ理解できないのでしょうか?」に至っては、こちろこそ「何故理解できないのか?」と聞きたくなりました。
この議論のいきさつを再度読み返してください。私が地層処分に反対していることに対して石川さんが「これ以上の科学の進歩はあり得ないと断じるのでしょうか?」と質問されたので、私は「科学はもちろん一歩ずつ進歩します。科学に携わっている人間として誰よりもそれを確信します。しかし、現時点の科学が高レベル放射性廃物の処分の安全を保証しないということは事実です。それに異議があるのでしょうか?」と回答したのです。
今回の質問状を拝見すると、石川さんご自身も「処分方法については、地上管理、地中管理、地中埋設といった方法があるはずだ。研究施設の建設も始まらない段階で決定するのは時期尚早だ」と発言してこられたとのことで、その通りです。どんどん発言を続けてください。私自身もすでに第 2 回の回答で「今後の研究で地層処分よりはましな処分方法が見つかる可能性はもちろんあります。だからこそ、今、安全の保証ができない方法で埋め捨てにしてはならないと私は主張しています」と書いたとおりです。
ただし、今回の石川さんの質問状には「『現時点の科学が高レベル放射性廃物の処分の安全を保証しないということは事実です。それに異議があるのでしょうか?』とのことですが、『ある!』と断言します」とあります。ということは、石川さんは現時点での科学が高レベル放射性廃物の処分の安全を保証しているというご意見でしょうか? もしそうなら、是非ともその根拠をお答え下さい。

5.「是非とも原発に代わる具体的な代替エネルギー源を明確にしてください」とのことで、石川さんが何度も聞きたくないとお書きになっているように、私も何度もお答えしたくありません。すでに前回も具体的なデータを示して書きましたように原発は即刻全廃しても電力供給に支障がありません。現時点であれば撤退が可能であり、私はそれを勧めています。
しかし、これからもエネルギー浪費を続けるならば、原発から足を洗うためには別のエネルギー源を見つけなければならないでしょう。
すでに今回の公開質問状の発端であった討論会で発言し、今回の回答にもデータを採録してお答えしているように、原子力の燃料であるウランなど大変貧弱な資源であり、そのようなものに人類の未来をかけること自体が間違っています。中期的には石油、石炭、天然ガスで行くしかないでしょうし、長期的には太陽エネルギーに頼るしかないのです。
石川さんは私の議論が抽象的だと批判されていますが、私はすでに何度も書いているように原子力が無くても支障がないことなど、具体的なデータを示した上で述べています。
また、化石燃料とウラン資源、及び太陽エネルギーの量についても具体的な数字を示しています。むしろ、石川さんがどうしても原子力が必要だというのであれば、どうしてそうなのか具体的なデータを示して議論すべきことでしょう。「抽象論など百万回唱えても役に立たないことをご理解なされ」という言葉は私から石川さんにお返しします。
なお、具体的な政策立案に当たってどの様な作業が必要かについては、たくさんの検討がすでになされてきていますが、たとえば下記の本がご参考になるはずです。石川さんが必要だと思われるなら勉強されることをお勧めします。
市民エネルギー研究所、「2010 年日本エネルギー計画・地球温暖化も原発もない未来への選択」、ダイヤモンド社
なお、石川さんの議論が「基本的な視点を欠落させています・・・・」と私が前回の回答で書いたことは、すでに上に書きましたリスクの分担に関連してです。何度も書きたくありませんが、国は原発の巨大事故を「想定不適当事故」として無視してしまい、巨大事
故時のリスクを大都市住民にも過疎地住民にも知らせていない点について書いています。
議論を噛み合わせるためにも、議論を脇道にそらすことはやめていただきたく思います。
石川さんが「蛇足」として書かれていることは、私がお答えする必要もないことと思いますので、触れません。
                                                                  以上

今後もご質問があればお答えしますが、議論が繰り返しになったり、脇道にそれたり、不毛になったりしてきていますので、もし石川さんが今後も議論を続けることをお望みであれば、できるだけ私との議論に集中していただけるよう望みます。


よく母が自分の言ったことを忘れて何度もまるで初めて話すが如く話し出す
指を 2本 3本 4本 と並んで立てて目の前に、 それ百万回聞いた!! ってことになるけど同じことを質問者の目の前でやってやりたい衝動に駆られるね 

議論に勝つ ということは決して相手をぐうの音も出ないほど打ち負かすことではない
議論に勝つ ということの目的は やり込めることではなく、相手にこちらの話を理解、納得させること 
だから相手の話をよく聞いた上で説明する
小出先生はとても妥当で尚且我慢強く優しい 
この質問者を全く考えず先生の回答だけ読むことがまた勉強になる
この先どう展開していくか楽しみー


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