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チャトとツクシの物語 4


G-mailって本当に便利 
メール内で M子さん で検査かけるとその時のやりとりがパッと出てくるー


某月某日

あたし
でM子さん大丈夫なの?

スカーレット
ウ…今日は大丈夫だった。
看護師が電話してきて、M子さんが話したいって、半分聞き取れなかったけど、身内じゃないし、忙しいのだから無理してこないで良いって。
M子さんの本音は来て!って事、天邪鬼ですからね。
それで直ぐに行ったら アパートから印鑑やらマイナンバーカードやら持ってきて弁護士に預けろとか、麻のブラウス持ってきてとか・・・
夜、大家さんにお願いして、家の中捜ししてようやく見つけたわ。
50分ほど病室にいたけど、ずっと手を繋いでいたのよ。寂しくて心細いのよ。
明日は2時に来ると言ったら、はい、って素直でした。
他界した父上が部屋に迎えに来ているのだとか、怖い‼ 何も食べられなくなってもう骨組みだけみたいになっていて、手足は動かないし状態はかなり悪いと思います。

あたし
そうか・・・最後にチャトがスカーレットの事探したんだねぇ
なんか切ないね
色々没後のこともお願いできたし本当に彼女にとってはスカーレットに巡り会ったことが人生最大の良かった事じゃないのかしらね
できればもっと前に知り合っていれば(M子さんにとってだよ)更に良かったのかも知れないねえ大変だろうけど頑張って
でもスカーレットの身体の事が1番心配だからきちんと大事にしてね
私で出来る事があったら何でもするから言って頂戴
南無~ マリア様にもお願いしよう

スカーレット
チャトは家の裏庭が公園への通路だったから、M子さんと知り合う前からよく知ってる野良猫だったの。
始まりは公園で意地悪されて水の器を何度も遠くに捨てられるので裏庭に水を常備してほしいって話しだったの。
時々は餌もあげてたし。
M子さんとは2年少しの付き合いだけど、映画見たり動物園行ったり絵画展やら外食やらジャズ聴きにいったり、それなりに愉しい事もしたのよ。
孤独な人だから最期の時間に寄り添ってあげたい。一人ぼっちで寂しい中で逝かせたく無いだけ。
ゆこちゃんの仰有るようにチャトが私を呼んだのね。だから自分は私に迷惑かけないように3ヶ月で死んだのだと思います。

あたし
なんか泣ける
人間の事には泣けないけどチャトの気持ちを思うと・・・
変な人でもチャトにとっては掛け替えのない人だったんだよね
お互いに支えあってたんだね
なんかなーって思う
最後にスカーレットに会えたこと 本当にM子さんにとっては神さまからの最高のプレゼントなんだと思うよ
チャトの絵でも描いてあげたら喜ぶかしら?


スカーレット
喜ぶとは思うけど間に合わないでしょうよ。
無宗教の人だから、死んだらゴミになるだけと言ってるから、虹の橋の話しをしてあげてる。
この世をさると、チャトが貴女を見付けて駆け寄ってくるの、そこでは貴女もチャトも若くて元気で、チャトが道案内をして一緒に虹の橋を渡り天国へ行くのよ。もうチャトと別れる事は無い!って。
それだけは信じて、たぶん信じているみたい。
私なんか犬猫大集団で待ってるから賑やかよと話してるの。
私の最期の日々に誰が手を握ってくれるやら…ゆこちゃんかな?だったらいいなぁ。

あたし
手だけじゃなくて足も握っていてあげるよ
って私の方が先かも知れないじゃーん
スカーレットが死ぬなんて考えられないし考えたくもない
つーかやっぱり身近な人の死はこれといった理由なくこたえます
どっちかというとM子さんの場合は今の苦しみから解放されることが死ぬことだろうと思うから落ち込まないでね
絵はやめておく
来年のカレンダーにはチャト載せるってお伝え下さい!

スカーレット
必ず、今日一番に話すわ。
わたしは大丈夫、落ち込まない。
ゆこちゃんが思うとおり苦しみから解放される、楽になると思うから。

あたし
だね みんな死ぬんだもの!!


そしてその某月某日の数日後

スカーレット
M子さんが未明に亡くなりました。
昨日夜は呼び掛けるとわかってはいても目を開けないし、手を握ると僅かに握り返すだけ、枕元で早く楽になりチャトに会えますように、チャトに早く迎えに来るようにと祈りました。
通じたのかもしれません。
2年半あまりが終わりました。
ご遺体は今朝斎場へ移り連休あけに荼毘にふされる事に。
私は行きません。
命のある間に出来る限りの事はしたから。
M子さんなら、それでいいわよ!と言うでしょう。

あたし
うん それでいいよ
昨日の夜 M子さんが亡くなるって思った 何故か
お疲れ様でした
M子さんの人生で1番有り難かったのはスカーレットに会えて看取ってもらったことだと思うよ
暑いね
疲れてるでしょ 
ゆっくり休んでね
チャトもありがとうってきっとスカーレットに言っていると思います


まだ
                  つづくhyogo

あ・・・カレンダーにチャト入れるの忘れた・・・滝汗


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チャトとツクシの物語 3


チャトの遺骨はスカーレットのお墓に納骨することに・・・
何故

更に不可思議はM子さんが以前飼っていたんだかこれも野良ちゃんで看取ったのか判らないけどその子のお骨まで納骨すると・・・
何故  どうして  Why 

人の事をとやかく言えないのは重々承知しているが、いくらなんでも人が良過ぎ 
というかM子さん変過ぎ 

そういえばスカーレットに毎年頼まれる年賀状のイラスト
スカーレットんちの子を描くんだけど、なんでそこにチャトが入ってないのか怒っていたって・・
ううむー 

チャトと全然知らない猫が入ったのはここです 


            お墓2


            お墓1


            P2015_0430_111013.jpg


余命宣告されているはずのM子さん
入院することもなく、チャトが亡くなった後もスカーレットとの友誼が続く
多分他に友達という友達が全くいなかったんだと思う

チャトに先立たれたそーんなM子さんが通い出した(それも連日)場所、それは某猫カフェ
すべての猫は由緒正しい純血種なのに1匹だけチャトにそっくりなミックスがそこにいた
その名前 つくし

想像するにいくら猫が好きだと言ってもこんなに連日通い詰め、他の客のところへ行けばあからさまにヤキモチを妬き、洋服だのおやつだの貢ぎ続ける客は多分その猫カフェ始まって以来M子さんが最初で最後のような気がする

M子さんの近況話をスカーレットから聞く度に いい加減にしなよね なんて牽制していたけど、だんだん彼女の日課である猫カフェ通いも厳しくなり、自宅で過ごすことも叶わなくなる 
 
そして入院・・・


                    つづくhyogo


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招かざる珍客


何故どうしてあなたそんなところにいらっしゃるの?
好ましくありません!!
クリックすると大きく観られますw


            DSC_1010.jpg


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チャトとツクシの物語 2


チャトを譲り受けるに際して・・・

スカーレットかかりつけの病院は勿論当院
なんせ高齢で持病持ちのチャト
これから先なにかしら起こった時のために挨拶にくると仰る・・・

そんな余命宣告されている人をわざわざ連れて来ないで! 
ってことで院長と2人のこのこ公園まで出向いたが・・・

お初に会うM子さん
なんか余命宣告されたようにはあんまり見えなかったんですけど・・・


チャトを譲り受ける

スカーレットんちの子になる

M子さんは治療に専念する

今生の別れではないとしても疎遠必然

あたしたちの頭の中ではこーいう図式ができていた
できていたんだけど・・・

スカーレット
「ゆこちゃん M子さん 毎日何回もいらっしゃるのよ それでお玄関で何時間も・・・」

M子さんだけだったらまだいい
ファンが多いチャトですから・・・
なななんと他のギャラリーまでが続々続々と・・・

たまったもんじゃありません 

スカーレットのことです
案の定・・・

「ご自分でお食事作らないらしいの だからお昼はご一緒に、お夕飯にはお弁当をお持たせしてるのよ」

なんでそーなる 

驚いた事には 有難う とか 申し訳ない とか そーいうのが全くないらしい
でその上、色んなことに文句ばっかり言っているって・・・・

ありえねえーーー

決して人の事を言えるあたしではないけれど、M子さんって話をちょっと聞くだけでも無茶苦茶変わっている
というより はっきり言って 

友達が全然いないのもなーんも不思議なし

スカーレットは文句や愚痴のたった1つも言わなかったけど、喜んで友達してたとは到底思えなーい 

いい加減にしなよね って言いながらも月日は流れ流れてついに・・・


            PAP_0022.jpg


M子さんじゃなくてチャトが鬼籍入り

エイズ発症更に慢性腎不全が進行 手厚いスカーレットの看護のもと帰らぬ猫となりました


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                      つづくhyogo


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チャトとツクシの物語

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もうかれこれ3年は前にはなると思う
我らがスカーレットさま
自宅近くの公園をういろう (Dちゃんちにいたカヤッ子ミニチュアダックス) と散歩ちうM子さんに声をかけられる
M子さんのことスカーレットはずっと前から見かけてはいた
というのもスカーレットのお散歩コース、毎日毎日同じ時間に同じ場所、彼女が茶色の虎猫と妙な雰囲気の中、いっつも一緒にいたから・・・

ういろうの前の優侍(ゆうまというラブラドール♂)は 猫=獲物 だったから近くに寄ることは先ずなく遠目で見かけていただけだったわけ
スカーレットにとってM子さんは散歩の途中にいる変なおばさん 
でもM子さんにとってはスカーレットはターゲット
しっかりずっとスカーレットのことをリサーチしてたんだな これが 

ういろうは猫ちゃん大好き 流石ふれあい犬としてのお仕事をこなしてくれただけあってフレンドリー
だからM子さんに声をかけられ、それから会えばちょっとお話ししたりする仲になって行く

そこで切り出された話はこんなこと

M子さんは治る病気ではなく余命宣告されていいて、ただただ自分の命はどうでもこのチャトを残しては逝けない
チャトを迎えて欲しい 

げげっ  なんと唐突な・・・

どうしよう ゆこちゃん
って相談されて 即答 ダメに決まっている  

聞けばチャトとM子さんの付き合いはもうかれこれ15年以上に及び、1日も欠かさず毎日3回(それも1回数時間)嵐の日も凍てつく寒さの日も炎天下もどんな時も嘘偽りなくその日課を続けて来たそうな・・
どんな理由があるか知らないけどどうしてじぶん家に迎えないわけ 
あたしの心の中では初っぱなからそれが理解不能

チャトはその15年間 近くの廃屋とか人の家の軒下で過ごしていたそうだ
なにそれ 

ずっとずっとその公園に住み着いているもんだから、写真集や小説にもチャトが各々違う名前で登場しているのもビックリだったけど

既に老猫、エイズ、M子さんが餌をやりに来なくなったらきっと命絶えるのは必然でしょう

もちのろん 我らがスカーレットさまですよ
マリア様のように慈愛に満ち、この世知辛い世の中では全く希有な存在、そんな女神スカーレットさまです
あたしの反対を軽く押し切り、快くチャトを迎えたのであります


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                     つづくhyogo              


 

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