鬼畜

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何が何だかわからない予告編なのに
たった数分の映像なのに
それだけでもう鼻がジーンと痺れて鼻水出そう 

南極物語のCM
タロとジロが雪原の中スローモーションで走ってくる姿を見ただけで泣けるDちゃんほどではありませんが・・・

観ようかなぁ 観るの止めようかな
南極物語も結局観なかったしなー



今回のこの映画 ハチ 約束の犬

洋犬であればピットブル、ジャーマンシェパード、ロットワイラー、ドーベルマン等
和犬でいえば 土佐、秋田、紀州、アイヌ・・
これ要注意犬種です

であるからして・・・

秋田犬がノーリードで一人散歩
これリアルだと・・・
かなり やばい

主演のリチャードギアは結構好きです 



秋田犬 と言えば・・・遙か昔の話を思い出す・・・
そう2百年以上昔

お酒のニオイプンプン 赤ら顔の夏なのに腹巻きなんてしてるクソオヤジ
こいつの汚い口から放たれた言葉のひとつひとつをあたしは忘れない

トラックの荷台に括られ連れられた犬は正にこのハチと同じ秋田犬
まだ生後半年程度の若犬だった

愛くるしい秋田特有の凛々しい姿
そしてニコニコ笑ってた
可愛かったなぁ


クソオヤジ
「おめえのところがうまいっちゅーから連れてきただんべ
こいつの目変なのが出ちまって何とかしてくれや
こんなんじゃあ品評会に出されねえ
こいつも賞が取れなかったらすぐ保健所だ!
うっへっへ
娘がよう
おらいのことを愛犬家じゃねえちゅうだよ
でも役立たずの犬は保健所だべ
いままで何匹出したかわかんねえよ 保健所に

次から次と沢山生まれっからいいんだけどもよう
♀は生まれてすぐ埋めちまうんだ
ふえっふえっふえっ」

まずい
唖然通り越しワナワナ震えるあたし

院長 かなり強い口調で
「そんな可哀想な事を・・・
もらってくれる人を探すとかできないんですか?」

おい 院長
そーいう問題でもないと思うぞ

クソジジイ
「けっ!おらいの犬だべ
どーしようとおらいの勝手だべ

そしてまだ子供だから嬉しくてハチャハチャ落ち着かない秋田犬を思いっきり蹴飛ばした

キャンっ!!

あたし
「ちょっと 何で蹴るんですかっ!」

即座に院長が無理矢理犬舎に押し込めた>あたしを

もうちょっとで手に持っていたシャーペンをクソオヤジの禿頭に刺すところだった

その後どういう会話がなされたのか未だに判らない
耳を欹てて聞いたけど耳が悪いから聞こえなかった
後でしつこく聞いたけど不愉快千万な顔で睨まれた>院長に
でもそれ以来クソジジイの来院はない


無邪気なあのニコニコ顔

あの子
どうなったんだろう
濾胞性結膜炎(チェリーアイ)だったけどどこで治療してもらったんだろう
んで賞は取れたのかな
あの子の兄弟たちもどうなってたんだろう

ああ
そんな事考えるだけ不毛だ

あのクソオヤジ
いくつの尊い命を蹂躙したんだ?


生まれて来なければ良かった命なんてないと教わった

でも違うじゃん

こんな鬼畜、クソみたいなバカタレのために
生まれてこなければ良かった命がどれほどあるだろう
そして・・・
死ぬ必要がなかった命が一体どれほどあるんだろう


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マリー

 
その犬は生まれて10年以上もずっとずっと同じ場所に鉄の鎖でつながれたまんまだった
見える景色は自分がいる場所からかいま見られる壁と壁の間の道だった

それだけだった


暑い日も雨の日も嵐の日も雪の日も同じ場所だけ見つめていたんだ
小屋は朽ち果て屋根すらなくなって・・・

その犬をずっとずっと気にしていた人たちがいた
飼い主に隠れてえさを運び、糞尿を片付け 散歩には連れて出られずとも 話しかけ 身体に触れ・・・

ある日その人たちはその犬を奪ってきた

名前はマリー
両足は骨折しそのまま固まっていて半身が不随状態
飼い主の虐待だった
床ずれは激しく蛆がわき一部骨が見えていた

連れてきた人たちはマリーを愛していたんだ
この何年間か彼女たちがいかに努力したのかは痛いほど判った

飼い主のいない時間帯に何度も院長が彼女たちの依頼で一緒に治療しに行っていたのも知っていた

もう限界だったんだ

院長と深刻に何か話し合っている彼女たちを見てこれから何が起こるのかボヤーンと察した
でも・・・怖くて聞けなかったよ

お散歩に行ってやりたかった
風の匂い、草の感触、夕焼け、朝露、思いっきり走らせてやりたかったよ

マリー
犬舎の外の景色に目を細めてたね


奮発して霜降り肉、牛のステーキを買ってマリーに食べさせた
ほんの一口しか食べられなかったね

食べきれないお肉を毛布の下に隠してたマリー
もう食べる明日がこないのに・・・

一体何が楽しかったの?
どんなとき嬉しかったの?
毎日毎日一体何を思って生きてきたの?

痛かったね
苦しかったね
怖いことが沢山あっただろう

ごめんね マリー



彼女たちは最期にはとても立ち会えないって・・・
私がこの胸に抱いてマリーの一生にピリオドが打たれた
まだ若かったし青かったわたしにとってマリーの事は初めての試練だった
泣けて泣けてたまらなかった




マリー
あなたの目が忘れられません
優しくて無垢な目が忘れられません

センターで出会う助けてやれない子たちの真剣なまなざしを見る度に・・・
マリーあなたの目を思い出します

輪廻転生
今度生まれ変わってくるときは・・・
生まれ変わって来るときには・・

あなたたちにこんな苦しく悲しい思いをさせた人間だけには生まれ変わらないで・・・

 

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フリーキャットの死(回想Ver.)


花冷えですね 
一昨日あんなに暖かかったのに昨日今日と冷え込んでます
みなさん風邪など引かないようお大事に 

小雨のなか渋滞している病院の前の道を見ていたらふと思い出した話をしますね
もう何年前になるかしら・・・




朝から雨、雨、その上寒い。
日は早く落ちるようになってもう5時になると真っ暗だ。
うちの病院の前の通り、夕方から開かずの踏切のせいで大渋滞になる。
渋滞時はなるべく出かけたくないけど今日はどうしても出かけねばならず仕事中断で車に乗り込んだ。

すぐ譲ってもらって列に入ったはいいがなかなか前に進まない。
シトシト降る雨、こんな寒い日にフリーキャット達はどこで暖を取っているんだろう?

そんな事考えながら甘んじる渋滞の列。
ふと左前の路地から猫が一匹現れた。
力強い風貌、誇らしげな眼差し・・
ほお骨の張り具合から見てもきっと去勢されてないフリーキャットの♂だろうと思った。
道の端まで歩いてくる。

駄目駄目こっちに来ちゃ駄目っ!!

こちら側は停車している車の列、でも対向車側は踏切が開いたと同時にまるで待たされ続けた事の腹癒せのように一気にスピードをアップして車が走ってくる。

バッドタイミング・・・

その猫は停まっている私の車の2台前だろうかその車の前を横切った。

「あ“-っ!!!」

声にならない声で思わず大絶叫した。

彼は私の本当に目の前で対向車の下に巻き込まれた。轢かれたのだ。

大きい猫だったから音も大きかったけど、轢いた車は当然のようにそのまま走り去る。
私はすぐ左側に車を寄せ対向車腺真ん中付近に倒れたその猫の元に走り寄った。

その瞬間彼は立ち上がって、そう・・・大袈裟ではない。1m以上はジャンプした。
何度も何度も・・・
そして動かなくなった。
抱き上げてそのまま走って病院に戻った。

身体の方に外傷はない。
しかし口と目と鼻から夥しい出血、眼球は両眼半分突出していた。
抱き上げている私の手にはタコみたいに身体がグニャグニャになっている彼の感触がありありと伝わってくる。

彼を診察台の上に乗せ院長を呼びつけ・・・
彼の呼吸は消え入りそうな浅い呼吸になっている。
でも苦しそうな息・・・怖ろしい形相・・・
内臓破裂、頭蓋骨骨折・・・

聴診器を当てた院長

「もう駄目だよ・・」
「苦しいかな?」
「見たら判るだろ?」
「じゃあお願い、楽にしてやって・・・」

彼は飛天した。
まだ若い。

無性に悲しくなった。
まだ温もりの残っている彼を抱きしめた。
私も血だらけになっていた。

最初から野良猫だった子なんていないんだよね


ボーッとしながら血だらけのまま止めた車に戻ったら・・
怪訝そうな顔をしたおばちゃんに

「ちょっと、こんな所に車止めないでよ。警察呼んだ所よ」

すっすっすんません 直ぐどけます

2002/12/07

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昨日わたしの戦意(洗車へ対する)を消失させたご婦人の亡くされたワンコはシーズーだった
シーズー
チベットに生きる犬である
湿度が低く寒い地方に適した犬だから高温多湿の日本には根本的にマッチングする犬種ではないよね
問題の多い子が多い

放棄される確率の高い犬種でもある

もう4年前の事だけど、みなさん、聞いて下さい




多摩支所

今日は午後1番で友人と待ち合わせ動物管理事務所(現動物愛護相談センター)多摩支所へ犬を迎えに行った
久しぶりの多摩支所・・・カラ埃に煙る多摩川のほとりをひたすらまっすぐ走る

施設に到着すると玄関先に軽トラックが止まっていた
お迎え?・・・ううん違う
放棄だ

中にはワァワァ泣き崩れるオバサン
そのオバサンへ車の窓越しに友人と説得を試みる

「どうしたんですか?」

「お尻に癌が出来て・・・」

「癌が出来てって・・・手術はしなかったの?うちの子もそうだったけど痛くなかったら生きれるだけちゃんと見てあげるのが貴方の義務でしょう?ここでの処分は判ってますよね?どうしても面倒が見られないんだったらちゃんとかかりつけのお医者さんに相談して安楽死してもらうわけにはいかないの?」

「安楽死してもらえなかった・・・」

「ちゃんと理解して下さる先生だっていらっしゃいます。この人は動物病院の方です。ねっ!湯子さんこれから一緒に病院に着いて来てもらってしてもらえるわね?」

「げっ・・・うん」

それから説得する事数分、車を運転してきた男の人がこう言い放った

「うるさいなぁ!大きなお節介だよあんたら」

あああ・・だだだめだ・・・じじじぶんが押さえられない・・・

「おい、○×△○●▼×△○●▼△○●▼×△○●▼×××!!!」

豹変した私の態度に一瞬空白な時間が流れ、そのオバサンの涙が止まった

涙・・・それはいつもきれいで美しいものであって欲しい
あのオバサンの涙は汚くてこの上なく醜かった




アナログでパソコン使えない友人の代わりに毎日収容犬のチェックをしている私

あああの子だ
この子も・・・明日期限だ・・どうかみんなみんなお迎えに来てもらってっ!!



今日の引き取りは収容期限切れの柴♀まだ若い子とそんなに若くはないミニチュアダックス♀の2頭
車に乗せたこの子達を職員がいつまでもケージ越しに撫でて何か話しかけてた

大丈夫、私達が責任もって幸せにします
素敵な里親さん探しますから・・・



助かる命 そしてそうでない命・・・

飼い主放棄は即日処分である
あの放棄された老シーズー・・・明日の朝1番で処分場に搬送される重く苦しい運命

今夜はあの子にとって今まで生きてきて、きっと1番冷たく淋しく心細い夜になるんだろう

そして・・次の夜はもう来ない



どんよりと曇った空が前方に広がる
重苦しい気分に追い打ちをかけるように続く渋滞
関戸橋を渡りきったちょうどその時に空が泣き出した

ああ・・きっとあの子の涙だ

黄色と黒の縞模様・・・
まるで工事現場によくありそうな紐・・・
そんな紐で首を括られて収容施設の中に消えていった後ろ姿

トボトボと頼りなさ気に飼い主の乗った車を何度も何度も振り返り振り返り・・・


私の頬に涙がこぼれ落ちた

2002/12/02  20021202.jpg

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